自賠責保険が2021年4月から値下げ。コロナで事故が減少したことが理由。差額は戻るの?
自動車やバイクを運転する際に加入が義務づけられている自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の保険料が2021年4月から8%余り値下げされることが、13日開かれた金融庁の審議会で決まりました。
2020年4月に引き下げられたので2年連続の値下げとなります。2年連続は初めてのことです。
2020年4月は、自賠責保険料は平均で16.4%の引き下げでした。
2021年3月までの自動車の自賠責保険料
車種/保険期間 | 24ヶ月 |
自家用乗用自動車 | 21,550円 |
軽自動車 | 21,140円 |
2021年4月以降の自動車の自賠責保険料
車種/保険期間 | 24ヶ月 |
自家用乗用自動車 | 21,550円×0.92(予定) |
軽自動車 | 21,1140円×0.92(予定) |
なぜ自賠責保険は値下げされたの?
近年の自動車の安全性能の進歩(自動ブレーキなど)により、保険金を支払うような事故が減ってきたからです。
さらに今回は、コロナの影響で交通量が減り、さらに交通事故が減ったためです。
自賠責保険は、被害者保護を目的とした強制保険ですので、これで利益が出たり、赤字にならないように算出されるのです。
自賠責保険の収支は、2014年、2015年度がそれぞれ数百億円の黒字で、2016年度も黒字の見通しとなり、値下げすることになりました。
(今回は値下げでしたが、近年では平成25年に11.7%、、平成23年には13.5%値上げが行われています。)
2017年よりも、さらに衝突被害軽減ブレーキの普及などもあって交通事故件数が減少し、保険金の支払額も減って保険収支が改善していることから、保険料を引き下げてユーザーに還元することになりました。
自賠責保険とは?
すでにご存じの方も多いでしょうが、簡単にご説明いたします。
自賠責保険は、車を運行するうえで、加入が法律で義務付けられている「強制保険」です。
もしも、未加入で運転した場合には、
・1年以下の懲役または50万円以下の罰金
・免許停止処分(違反点数6点)
の罰則があります。
支払いのタイミングは、
・新車購入時
・車検の時
となっていて、次の車検の有効期間までの金額を前払いします。
主な補償範囲は、
死亡による損害:最高3,000万円
後遺障害による損害:最高4,000万円
傷害による損害:最高120万円
となっており、補償される範囲は対人事故の賠償損害のみです。
これでは、万が一の事故に際には足りませんので、自動車保険(任意保険)に加入される方がほとんどです。
自賠責保険の差額は返金してくれるの?
自賠責保険が値下げされたのであれば、前払いした自賠責保険の差額は戻ってくるのでしょうか?
残念ながら答えは、「NO」です。
自賠責保険は、保険始期(保険契約開始時)を基準に考えられます。そのため、契約後に改定があっても、満期を迎えるまで改定の影響は受けないのです。
今回が値上げであっても、その差額は請求されないのと同じです。
車を買い替えたら自賠責保険は戻ってくるの?
では、車をその期間中に買い替えた場合、差額ではなく自賠責保険の月割金額は戻ってくるのでしょうか?
次に買う車の分も払うわけですから、戻ってきてほしいですよね。
こちらも残念ながら、廃車にしない場合は戻ってきません。
下取りや買取で査定金額がついて引き取られる場合は、廃車ではなく再販するための名義変更ですので、自賠責保険は戻らないのです。
詳しくは、こちらの記事をご確認下さい。車を買い替えたら自賠責保険はどうなるの?戻ってくるの?